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名古屋ボストン美術館は名古屋市中区金山に所在する美術館で、アメリカのボストン美術館の姉妹館です。 名古屋ボストン美術館自身は資料の収集・保有はせず、展示資料はすべてボストン美術館から借り受けるシステムとなっている。
美術館は金山駅前の金山南ビルの2フロアを使用。開館からしばらくは上のフロアを古代 オリエント美術の常設展としていたが現在は廃止し、企画展用のスペース「オープンギャラリー」となっている。

ボストン美術館について
浮世絵展のホ−ムページから

 ボストン美術館には5万点にのぼる浮世絵版画と、多くの版本・肉筆画が収蔵されています。
その質の高さと数量は、世界一の規模と評価されてきましたが、近年までほとんど公開されることがありませんでした。
 この膨大なコレクションの中から第一級の浮世絵を厳選した本展出品作品は、版画132点、肉筆5点、下絵画稿類12点、版本10点(会場により、展示替あり)で構成され、その大多数が日本初公開です。
 本展は、初期浮世絵版画の誕生から幕末までの展開を、主要流派と絵師の作品により通覧できる、まさに浮世絵史の教科書ともいえる構成です。
 これは、ボストン美術館の各時代を網羅する膨大なコレクションだからこそ実現できたもので、浮世絵を通して江戸文化のダイナミズムを感じていただけることでしょう。
 これまでほとんど公開されてこなかったボストン美術館秘蔵の浮世絵版画群は、いずれも保存状態良好な作品ばかりです。
 とくに、ボストン美術館内でもこれまで展示されたことがない、礒田湖龍斎の《雛形若菜の初模様》のシリーズでは、遊女が身にまとう着物の美しい模様が、いま摺り上がったばかりと見紛うほどの鮮やかな色目でお楽しみいただけます。また、二代鳥居清倍の5点の漆絵も発売時の雰囲気を十分に伝える華麗な逸品です。
 本展には貴重な版本も出品されます。なかでも、日本の劇書の四大珍書とされる、1700年(元禄13)刊行の鳥居清信『風流四方屏風』、また、喜多川歌麿の『画本虫撰(えほんむしえらみ)』をはじめ、傑出した狂歌絵本として名高い『潮干のつと』『?謌夷(わかえびす)』にも注目です。
 さらに、版画作品は門外不出とされ、幻のコレクションといわれるスポルディング・コレクションからは、菱川師宣『美人絵つくし』、勝川春章『三十六歌仙』、北尾政演(山東京伝)『吉原傾城新美人合自筆鏡』のハイクオリティな3点の絵本が出品されますのでお見逃しなく!

 ボストン美術館は、質量ともに日本以外では世界一と言われる日本美術コレクションを持つことで知られています。長年にわたり優れた作品を収集することに力をいれてきましたが、コレクションの独自性はすでに120年前、明治時代に大きく決定づけられました。
19世紀末、明治政府は日本の国際的な地位確立のため、ヨーロッパやアメリカ各地で開催されていた万国博覧会に積極的に参加します。1876年アメリカ建国百周年記念の万博がフィラデルフィアのフェアーモント・パークで半年にわたり大々的に開かれますが、そこで日本は初めて、高度な技巧を駆使した工芸品の先進国としてプレゼンテーションを行い、大きな反響を呼びました。
ボストン美術館が最初に日本の美術品を購入したのは、この万博でした。

 建国百年博は、コレクションの形成に重要な役割を果たす3人のボストン市民-エドワード・シルヴェスター・モース、アーネスト・フランシスコ・フェノロサ、そしてウィリアム・スタージス・ビゲローが初めて日本美術に接する場となりました。 
 一年もたたないうちにモースは日本に旅立ち、1878年にフェノロサ、そして1882年にビゲローがモースに続きます。
 彼らは日本の社会変革を目にし、自ら文化機関の設立にも参加していきました。明治日本との長く続いた交流と、日本美術を生み出した精神構造への関心が、彼ら独自のコレクション-後のボストン美術館のコレクション-を築いたのです。

●エドワード・シルヴェスター・モース(1838-1925)
東京帝国大学に動物学の教授として就任。日本の陶磁器の美しさに魅了され、以後これを中心に五千点以上ものコレクションを収集。
●アーネスト・フェノロサ(1853-1908)
東京帝国大学に哲学の講義を行うために招かれる。1890年にボストン美術館初代日本美術部(現アジア美術部)長に就任。「平治物語絵巻」をはじめ名品を含む日本絵画など千余点のコレクションを収集。
●ウィリアム・スタージス・ビゲロー(1850-1926)
1890年にボストン美術館理事に就任。来日中収集したコレクションは、様々な流派の絵画、刀剣、刀装具、染織品、漆器、木版画、彫刻などの幅広い分野におよび、その数は約四万点にのぼる。
ボストン美術館のコレクションのなかでも浮世絵はとりわけ有名で、江戸初期から幕末・明治まで五万点もの版画が所蔵されています。その中から優品を精選した本展には、ウィリアム・スタージス・ビゲローのコレクションも数多く含まれています。また、世界的に知られる作品とともに、最近調査が行われ今回日本で初公開となる作品も多数出品されます。


名古屋ボストン美術館のある
金山南ビル

ボストン美術館

会場入口の大看板

浮世絵名品展のパンフレット(1)
各浮世絵画面をクリックすると拡大表示されます

浮世絵名品展のパンフレット(2)
各浮世絵画面をクリックすると拡大表示されます

二代目藤村半太夫の大磯の虎
初代鳥居清倍(生没年不詳)

青楼仁和嘉女芸者の部
扇売 団扇売 麦つき
喜多川歌麿
寛政4ー5年(1792-93)
大判大和絵

雨中美人
鈴木春信(1725?-70))

蚊帳
喜多川歌麿(?-1806)

二代目嵐龍蔵の金貸石部金吉
東洲斎写楽
寛政6年(1794)5月
大判錦絵

富嶽三十六景 山下白雨
葛飾北斎
天保2年(1831)頃
横大判錦絵

東海道五拾三次之内
歌川広重
丸子 名物茶屋
天保4ー7年(1833-36頃)
横大判錦絵

日本橋の往来
鳥居清長
天明6年(1786)頃
大判錦絵二枚続

駿河町越後屋呉服店大浮絵
無款(奥村政信)(1686−1764)