岐阜県美術館では平成11年度から、岐阜県出身の円空の独創的な芸術にちなんで円空賞、円空大賞として毎回数人の現代作家を顕彰し続けています。
今回は円空大賞としてエンリケ・オリベイラ、円空賞として佐藤昌宏、庄司達、土屋仁応、宮本勉が選ばれていました。
私はどの作家も知りませんでしたが、エンリケオリベイラは合板で出来ているとは思われない独特の質感のある造形品が展示されていました。
佐藤昌宏は少々奇怪な動物・子供・大人などが無数に描かれた画面で曼荼羅のような雰囲気を描き出していました。一部の作品は夜一人で見たら恐ろしくなるような作品です。
庄司達は白い布が独特の張り方で張ってありました。
大きな作品なのでミニチュアがいくつか展示してありました、それを見ても何の感慨もありませんでしたが、学芸員の方が実物の布の下をくぐり抜けてくださいとのことでしたので布の下に入ると意味が分かりました。
なにか特別の空間に入ったような気がしたのです。
土屋仁応は実在する動物、実在しない動物・人魚などが作者の考える形にモディファイした造形品に表現されていました。
いずれの作品も優しさを感じる形で、表面の仕上げがつややかで色も白か青、マイカ仕上げかメタリック仕上げのようで実にきれいにできていました。
宮本勉は各種の素材で筒状の埴輪のような造形品を出していました。下の写真の作品はほとんどが陶製のようでした。
普通、日本の美術館で写真はとれないのですが、円空大賞展の会場では写真撮影は自由でした。
常設展はオディロン・ルドンに期待して行きましたが、岐阜県美術館は250点以上収蔵しているとのことなのに、10数点しか展示されていませんでした。
オディロン・ルドンといえば目玉など奇怪な絵という印象がありましたが、普通の絵の方が多く出ていました。
残念ながら、展示作品を見ても作者の意志がどこにあるのか、何を訴えようとしているのか理解できませんでした。今見返してもよく分かりません。
250点ある収蔵品の画題から見て、キリスト教に関係のある宗教的なものがあるのでしょうか。
円空仏は4年前に行った下呂の合掌村円空館と下呂の温泉寺の10体ほどが展示されていました。
正門から美術館へ |
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円空大賞展展示室へ |
円空大賞展展示室 |
円空大賞展パンフレット 表 |
円空大賞展パンフレット 裏 |
円空大賞に入選し出品された作品の一覧表です。
エンリケ・オリベイラの作品 Desnatureze 合板廃材 |
佐藤昌宏の作品 地のいきもの (孔雀浄土) |
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佐藤昌宏の作品 |
佐藤昌宏の作品 地のいきもの |
佐藤昌宏の作品 地のいきもの 池のほとりで |
庄司達の作品 |
土屋仁応の作品 獅子 |
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土屋仁応の作品 龍 |
土屋仁応の作品 人魚 |
土屋仁応の作品 金の猫 |
宮本勉の作品 |
ルドンの作品は写真撮影ができませんでしたので、美術館のホームページの所蔵品にある画像を下に表示します。 実際の今回の訪問時の展示品を私の記憶にもとづいて選んであります。