この美術館へはこの美術館めぐりの第1回目に、白鶴美術館と一緒に訪れたことがある。 このときはドレスデン国立美術館展がひらかれていて、フェルメール、ティツィアーノ、レンブラントなどの絵が展示されていた。 今回はムンク展ということであったが、どうもムンクは暗い印象でいい絵なのかどうか知らないが、自分としては好きになれないと思っていた。 同行した人たちの中にも同じようなことを言っている人が何人もいた。 しかし、堀尾一郎先生の解説を聞いているうち、興味が湧いてきて良く見てみようという気になってきた。 先生の話では、ムンクの絵の暗さはかれの生い立ちによるところが大きいように思うとのことであった。 母親が結核で早く死に、あと母親代わりをしてくれた姉も結核におかされて早くなくなり、弟も早く死に、彼自身も長くは生きられないのではないかと思われていた、このように、いつも死と病気の不安の中で過ごした事が彼の芸術の根本にあるものだと思われる。 また、堀尾先生は今回同時に行った小磯記念美術館に関しての話の中で、小磯良平の絵は大変うまい、しかし自分でも死に物狂いで勉強すれば描けるように思う、けれどムンクの絵は絶対描けないと思う、自分以外でもムンク以外には描けないのではないかと言っておられた。 そのような見方で見るとあまり好きでなかった絵も光が見えるような気がしてきた。 今回の展示では、ムンクの絵全体を1つの新しい?見方で編成しなおそうというような意図が見られ、一つ一つの絵はそれぞれまったく独立したものではなく、何点かの絵でムンクがその主張を表現しようとしたと説明されていた。 家か部屋の門のような部分の周囲に何点かの絵を飾った時の様子を検討したと思われるメモとか、アトリエの壁にいくつもの絵をかけて検討していた写真などが沢山残っているようで、この展覧会にもそういった検討の過程のいくつものメモとか写真が展示されていた。 このページのトップの3点の絵もそう思ってみれば、並べると丁度良いように描かれているようにも思はれる。 このことは下のパンフレットの2枚目の下左のところ (ここをクリックすると拡大表示されて読むことが出来ます) に少し詳しく書いてある。 |
兵庫県立美術館全景 (美術館のパンフレットから) 安藤忠雄設計の大変すばらしい美術館であるが 運河の向うからでしかこの写真は撮れないので 美術館に行っても普通はこの写真は撮れない |
ムンク展のパンフレット |
上のパンフレットの裏面 各画像と左下の説明文をクリックするとそれぞれ拡大表示されます |
県立の美術館のレストランなのであまり期待していなかったが予想以上においしかった。 |