清春白樺美術館

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 清春白樺美術館は、武者小路真篤、志賀直哉など白樺派の作家たちが建設しょうとしてその夢を果たせなかった《幻の美術館》です。
武者小路、志賀の両氏を敬愛し、個人的にも親交のあった銀座吉井画廊社長吉井長三氏(尾道市出身)が昭和58年に実現したものです。
 3月にこの美術館めぐりで静岡(県立美術館と芹沢_介美術館)を訪ねた時、同行したカルチャーセンターの方から、静岡県立美術館はロダンの蒐集品が多いことで知られているが、4月に行く2つの美術館は、山梨県立美術館はミレーの作品を多く集めていることで知られていること、清春白樺美術館は世界有数の優れたルオー作品を持つ美術館であること、また清春白樺美術館にはルオーの礼拝堂があり、丁度フランスからルオー家秘蔵の沢山のルオー作品が持ち込まれていて、丁度よいチャンスだと聞いた。
ルオーを熱心に日本の紹介したのは西洋印象派の芸術に感動し、日本に持ち込もうと活動した白樺派の人々と、その運動に参画した人々でした。
白樺派とは、明治の終りから大正にかけて明治末年から大正時代にかけて、学習院出身の武者小路実篤、志賀直哉、里見弘、児島喜久雄、柳宗悦らに有島武郎、有島生馬その他の文学者や画家が加わり、明治43年4月に雑誌「白樺」を創刊して文学・美術の運動に画期的な影響を与えた同人たちです。
のち同人には長興善郎、山脇信徳、千家元麿、岸田劉生、バーナード・リーチ、梅原龍三郎、中川一政、富本憲吉らが加りました。
彼等がまず蒐集しようとしたのは、セザンヌ、ロダン、ゴッホの作品でした。
その後、ピカソ、マティス等、西欧近代の巨匠の作品、また、白樺派の運動に参画した芸術家たち、有島生馬、岸田劉生、山脇信徳、高村光太郎、バーナード・リーチ、宮本憲吉、木村荘八、梅原龍三郎、中川一政、高田博厚などの諸作品、さらに白樺派の同人である武者小路実篤、志賀直哉、児島喜久雄、長與善郎、里見とん等の書画なども収蔵品に加わえ展示しています。
こうしたこの美術館成立の経緯から敷地内には、本館のほかに『ラ・リューシュ』、『梅原龍三郎のアトリエ』、『小林秀雄遺愛のしだれ桜』、『ルオー礼拝堂』などが建っています。

今回は二科会会員の堀尾一郎さんが同行し、解説をしていただいたが、その話の中で特に印象に残っているのはルオーと高田博厚の師弟関係の話です。
ルオーの病に倒れ、病状が悪化してなくなるまでのことを高田博厚が書いたものを読んでいただきましたが、心温まる交流と、なくなる直前の部分を読んでおられる時、堀尾さんが涙声になり、つかえつかえしながら読み上げられました。
堀尾さんも自分の師とのあつい関係を思い、この部分はいつも涙なしでは読めないとのことでした。


特別展のパンフレット

同左裏面
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美術館の入口
正面はラ・リューシュ

本館部分

本館前にある高田博厚の彫像

右の説明にあるように
パリにある建物を模して
作られたようです

これも本館前の目立つところにある

ジョルジュ・ルオー年譜

ユゼーブ
ジョルジュ・ルオー

カスタフィーヌ
ジョルジュ・ルオー

聖顔
ジョルジュ・ルオー

自画像
武者小路実篤

麗子洋装の像
岸田劉生

美術館の付属施設など


ルオーの礼拝堂

礼拝堂内部
パイプオルガンなど

ルオーの制作したステンドグラス

梅原龍三郎のアトリエ

小林秀雄遺愛のしだれ桜

エッフェル塔のらせん階段

移動アトリエとして使われた
シトロエン

美術館の入口前にはこのような
桜の巨木が沢山あった


    


アトリエのルオー 時のは道は美し 罠と悪意に満ちたこの世にありて孤独なる者 愛することのいいかに甘美しき 法は過酷、されど法は法