興福寺にはこれまで何十回も来ているが今年はこれが二回目である。 前回6月、数年ぶりに来たときは南円堂の特別開扉をしていたのでそこで不空絹索観音をはじめて拝観することが出来た。 今回は国宝館だけに行ったが、前回行った時にも進められていた興福寺境内環境整備計画の第一期整備事業(平成10年〜19年)がさらに進んでおり、これまで空地となっていた南円堂、五重塔、中金堂、東金堂、国宝館などに囲まれた興福寺の中心部で盛んに工事が行われていた。 ここに金堂、講堂、南大門、中門、回廊など盛時の伽藍を復元するとの事である。 この計画は奈良県の平城遷都1300年記念事業の一環として、平城京の大極殿正殿復元整備などとともに全県的なプロジェクトとして進められているもので、世の中の変化から取り残されそうな奈良県が、平城京跡、飛鳥・藤原京地域、斑鳩地域、古道などが総合的に整備し、歴史文化都市として新たな魅力を創りあげようとして進められているようです。 出来あがれば興福寺としてはまとまった立派な寺になると思いますが、これまで全国から修学旅行などで奈良を訪れた沢山の人がそれぞれに持っている奈良のイメージを壊してしまうような気がして残念にも思います。 私も始めて奈良を訪れたのは小学校の修学旅行でしたが、その時のイメージは猿沢の池から階段を登ると、そこに五重塔ほかの古い建物、に大きくかこまれた砂利のひかれた明るく美しい広い空間があったことが大仏殿以上に印象に残っています。 信仰の対象としての寺ですから信徒の方々の信仰心からこういった計画が生まれ整備されるにはそれはそれでいいことだと思いますが、この計画の場合観光目的のように思え残念な気もします。 でもここのところ奈良の各所を見てまわることをしていませんので、大極殿正殿の工事も進んでいるようですし、飛鳥のほうでも新しい発見が報じられてもいますので、また行ってみたいと思っています。 |
興福寺宝物館 |
整備の終わった南円堂と 整備中の広場 |
満車の宝物館前駐車場 |
五重塔と東金堂 |
宝物館前案内看板 |