稲沢市荻須高徳記念美術館は、稲沢市の稲沢公園の一角にあって、美術館として特に目立つ建物ではないが近くにある稲沢市の文化財収蔵庫、
保健センターなどと外観が統一されて公園も含めて全体として落ち着いた地域となっている。
この美術館は、生前荻須本人から寄贈された絵画を中心に、学生時代から晩年に至る、数多くの荻須作品が所蔵展示されている。
美術館には荻須高徳の作品を展示する本館のほかに、彼がパリに滞在していた時に絵を制作していたアトリエが、パリで使用していた机、椅子、イーゼル、などのほか絵筆、パレットなどの小物も含め
再現さている。
荻須記念美術館に再現されたパリ・モンマルトル近くのアトリエはパリ市が芸術家たちのために提供したアパルトマンで、第2次大戦中に一時帰国した時期を除き、32歳から84歳で亡くなるまで、
高名になった後も、荻須はここで絵を描きつづけたところです。
美術館のサイトにある荻須高徳の年譜を下に転載しますが、戦前、美術学校を出てフランスに長期留学できると言うのは本当に経済的に恵まれた人であったと思います。 また、フランスでも日本でも認められて文化勲章も授与されており、まさに功なり名とげたしあわせな一生を送られたかたです。
以前訪れた小磯良平の美術館でも思いましたが、こういう恵まれた環境で絵を描く人はやはり落ち着いた絵を描くのだなと思います。
生前荻須と親交のあった佐伯祐三も東京美術学校を出てフランスに行ってフランスで活躍しましたが、経済的なことはともかく健康面で平穏に過ごした時期がなかったことなどが画風にも影響を与えたのか、
荻須高徳とは対照的に荒々しい緊張感のある絵を描いています。
1901年(明治34年) 11月30日、愛知県中島郡井長谷村大字井堀149番戸
(現在の稲沢市井堀高見)に生まれる。
1908年(明治41年) 7歳 千代田尋常高等小学校に入学。
1916年(大正05年) 15歳 愛知県立第三中学校(現在の津島高等学校)に入学。
1921年(大正10年) 20歳 卒業後、上京し川端画学校に学び、藤島武二の指導を受ける。
1922年(大正11年) 21歳 東京美術学校(現在の東京芸術大学)西洋画科に入学。
1927年(昭和02年) 26歳 東京美術学校卒業。9月フランス留学の途につく。
1928年(昭和03年) 27歳 このころから署名をOGUISSとする。サロン・ドートンヌに
初入選。
1939年(昭和14年) 38歳 第2次世界大戦勃発。翌年13年ぶりに帰国。
1944年(昭和19年) 43歳 横江美代子と結婚。
1945年(昭和20年) 44歳 終戦。
1946年(昭和21年) 45歳 長女恵美子生まれる。
1948年(昭和23年) 47歳 戦後初めて日本人画家として、フランス滞在を許され
8年ぶりにパリに入る。
1956年(昭和31年) 55歳 フランス政府から、レジオン・ドヌール勲章を授与される。
1972年(昭和47年) 71歳 勲三等旭日章に叙される。中日文化賞受賞。
1974年(昭和49年) 73歳 パリ市より、メダイユ・ド・ヴェルメイユを授与される。
1981年(昭和56年) 80歳 文化功労者に顕賞され10年ぶりに帰国。稲沢市を訪問。
1982年(昭和57年) 81歳 フランス国立造幣局が、荻須高徳の肖像を浮彫にした
メダイユを発行する。
1986年(昭和61年) 84歳 10月14日、パリのアトリエで制作中に死去する。
文化勲章を受章する。
開館25周年記念の荻須高徳展では、発行されたパンフレットに通常よりはるかに多くの作品の写真が掲載されている。
そのすべて66枚と写真ををここにコピーして掲載しました。
パンフレットのページ数は14枚あるがパンフレット(2)はこれ1枚のパンフレットでその他は1冊になっている。
パンフレット(9)まではページ内の各画像、説明文をクリックすると拡大表示され、またページの左上隅をクリックするとページ全体が拡大表示されます。 パンフレット(10)以降は個別の画像拡大のリンクは挿入してありません、ページのどこかをクリックするとページ全体が拡大します。
どの絵を見てもまさに万人向きえで、どこにでも飾ることの出来る作品で、高価で手が出ませんが私も買えるものなら部屋におきたいと思います。
パンフレット(1) |
パンフレット(2) |
パンフレット(3) |
パンフレット(4) |
パンフレット(5) |
パンフレット(6) |
パンフレット(7) |
パンフレット(8) |
パンフレット(9) |
パンフレット(10) |
パンフレット(11) |
パンフレット(12) |
パンフレット(13) |
パンフレット(14) |
美術館正面全景 |
アトリエの場所などの説明 |
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この中にアトリエがある 内部は再現されているが 外観はまったく違うようです |
本館からアトリエへの通路 |
アトリエ内部 |
アトリエ内部 |
本館展示室 |