数年前から石水博物館には一度行ってみたいと思っていましたが、なかなか機会がなく行けませんでした。
仲間と各地の美術館を訪ねていますが、昨年は焼き物関係の美術館に絞って訪ねようとして計画しました。
しかし石水博物館は陶芸家として有名な川喜多半泥子の設立した博物館なのに、ホームページを見ると焼き物以外のものに重点を置いているように思い、今年の計画には不適当かなと思いましたが、なんとか年度最後の3月に計画に組み込み訪ねることが出来ました。
石水博物館は伊勢地方の豪商で、江戸にも大店を構えた川喜多家の16代当主で、銀行家でもある陶芸家の半泥子(本名 川喜田久太夫政令)が川喜多家伝来の旧蔵資料を中心に開設した博物館で、陶芸家としても有名な半泥子の作品など半泥子関連資料も多く収蔵しています。
訪問した時は、企画展として『描かれた物語-古典・伝説・逸話・故事-』が開かれていました。
ここでは、古い絵画、工芸品、古文籍など貴重な美術品が展示されていました。
こういったものを個人で多数所蔵されているのは、やはり川喜多家は現在も財力のある旧家なのだと改めて思いました。
しかし実際に鑑賞した時間の大部分は所蔵品展の半泥子の作品でした。
展示されていた半泥子の作品は、各種の焼き物のほかに一部、絵画、書もありました。
焼き物はもちろんですが、絵も書も一流だったことがわかります。
半泥子は経済力にも恵まれ、芸術家としての才能にも恵まれた、本当に幸せな人だったと羨ましくなります。
石水博物館には千歳文庫という立派な収蔵庫がありますので、多くの美術品が所蔵されていると思いますが、ホームページの所蔵品紹介という項を見ても、数点のそれも部分写真が紹介されているだけで、全体としてどのようなものが所蔵されているか全く分かりません。
名鉄津駅前 |
津駅前のバス停 |
津駅前から博物館までのバス |
博物館の正門 下の写真のような建物の配置になって いるので館全体の写真が撮れない |
入口へのアプローチ |
博物館入り口 |
上空からの博物館全体配置 上部が本館、左下が千歳文庫 |
千歳文庫 美術品の収蔵庫として使用されていて 内部は非公開 |
林の中の千歳文庫 |
パンフレットは博物館を紹介するものと当年度の企画展を紹介するものがありました。
画像、説明文をクリックすると拡大表示されます。
2018年の6回の企画展を紹介するパンフレットです。
今回見たのは最終の『描かれた物語‐古典・伝説・逸話・故事ー』でした。
画像、説明文をクリックすると拡大表示されます。2階の第2展示室の所蔵品展では展示品の大部分は川喜多半泥子作品でした。
赤楽大茶碗 銘 閎く恋慕 川喜多半泥子 石水博物館蔵 |
織部黒茶碗 銘 暗香 川喜多半泥子 千歳山窯 |
伊賀水指 銘 慾袋 川喜多半泥子 1940年 石水博物館蔵 |
波和游 Haw are you 川喜多半泥子 |
黒織部茶碗 暫 江戸時代 石水博物館蔵 |
塞翁飼馬図屏風 曽我蕭白筆 六曲一隻 宝暦8-10 三重県立美術館蔵 |
お竹大日図(版画) 紺野浦二(川喜多半泥子) 昭和8年 石水博物館蔵 |
博物館鑑賞後昼食は津市内で黒カレーで有名な東洋軒にしました。
一緒に行った10名で一部屋をとってもらって博物館鑑賞の感想などの他、次年度に行く予定の美術館・博物館の打ち合わせなどで歓談しました。
食事もおいしくいただけましたし、ゆっくり話し合いが出来、良い時間を過ごせました。
食事後、国指定史跡「谷川士清旧宅」を訪れました。
谷川士清(たにかわことすが)は江戸時代中期の津出身の国学者で、「和訓栞」と言うわが国初の50音順の辞書の編集をしました、しかし出版する前に亡くなったので、子孫が引き継いで100年後の明治20年に出版されたそうです。。
その他、日本書紀通証35巻など多くの書物を執筆しまとめています。
この時の状況については別ページでアップロードする予定です。