千光寺は飛騨高山市の山深い山中にある古刹です。
高山市というと街中のように思われますが、ここはつい最近までは岐阜県大野郡丹生川村だったのです。
これが最近の市町村合併で高山市と一緒になり現在では岐阜県高山市丹生川町となっています。
ちなみに高山市の総面積は2177平方`で東京都全体とほぼ同面積で、日本一面積の大きい市です。
当山は1600年前に飛騨の豪族・両面宿儺(りょうめんすくな)の開創と伝えられています。
この両面宿儺という奇妙な名前については、今回この美術館めぐりに同行してくださった円空佛についての専門家である小島梯次先生によると、大和朝廷が成立した直後の頃で、大和朝廷側から見た偏見により歴史書(日本書紀)などに地方の山中に住む恐ろしげな者としてこのような名前をつけて書かれたものと思われるとのことでした。
仏教の寺院としては1200年前に空海弘法大師の10大弟子の1人である真如親王によって真言密教の飛騨祈祷所として建立されたとのことです。
現在は寺の近くまで車で行けますがそれ以前は山中の谷川に沿った険しい道を数時間かけて登ったそうです。
この寺の有名な理由の一つには、江戸時代の中期、円空上人が滞在され、上人の刻まれた63体の仏像があることです。
今回はこれらの仏像を拝観させていただくために訪問しました。
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