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名古屋に住んでいながら徳川美術館に行った覚えがない。
50年以上前の高校生の頃、通学で徳川園の南の道路を毎日通ったので場所と尾張徳川家と関係の深い所とは知っていた。 たまたま暇があり、天気もよさそうだったので徳川美術館に行ってみようと思いたち、展示内容などは調べないで訪れた。
この日は『春季特別展 王者の華・牡丹』が開かれていた。
牡丹に関係する、日本、中国、朝鮮、琉球の絵画、陶磁器、漆工品、金工品、裂、書など170点ほどが徳川美術館所蔵のものの他、日本中の数多くの美術館、寺院などから出展されており、通常、徳川美術館で企画展示をする第7・8・9の3室では入りきらず、隣接する蓬左文庫の展示室も使われていました。
厳島神社の国宝・平家納経は厳島神社でも見た記憶があるがやはりすばらしい。 また下のパンフレットの中に写真がある国宝・牡丹文螺鈿蒔絵手箱(熊野速玉大社蔵)もさすがと思わせるもので見ていて飽きないものの一つでした。
徳川美術館は、尾張徳川家の19代当主徳川義親氏の寄附により昭和6年(1931)に創立された財団法人徳川黎明会が運営する私立美術館で、昭和10年に尾張徳川家名古屋別邸跡の現在地に開館しました。 大倉集古館、藤井斉成会有鄰館、大原美術館などと並び、日本の私立美術館の草分けです。
総石高61万9500石を領し御三家筆頭であった尾張徳川家の歴代相伝の重宝、いわゆる「大名道具」を収め、しかもその後、徳川宗家(将軍家)や紀州徳川家、一橋徳川家、蜂須賀家などの大大名の売立重宝の一部を購入し、岡谷家・高松家をはじめさまざまな篤志家の寄贈品をも収めてさらに充実し、戦中戦後の災難混乱を免れて現在に至っています。
特に戦後の混乱の中、大名家の重宝が散逸して行った中、財団法人として管理されていた尾張徳川家の重宝は散逸を免れ今日我々が鑑賞させていただけることは、徳川義親氏の英断のおかげと思います。
収蔵品は徳川家康の遺品を中心に、初代義直(家康九男)以下代々の遺愛品や、その家族が実際に使用した物ばかり1万数千件におよびます。世界的にも有名な国宝「源氏物語絵巻」をはじめ国宝9件、重要文化財58件、重要美術品46件を含み、徳川美術館ならではの豊富さ、質の高さ、そして保存状態の良さを誇っています。
維新、大戦を通じて各大名家の道具がほとんど散佚してしまった今日、徳川美術館の収蔵品は大名家の宝庫・コレクションとして唯一のまとまった存在です。
黒門 |
徳川園と徳川美術館 |
美術館正面 |
以前の玄関か? |
左記内部 壁面と床は石材の上に陶磁器製の 草花などが接着されています |
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館内の中庭 |
蓬左文庫 |
蓬左文庫の説明 |
この地はもと尾張徳川家の大曽根別邸で、二代藩主徳川光友の時代、元禄7年(1694年)ころに隠居所として建造されました。
光友の歿後大曽根別邸は、尾張藩家老の成瀬家、石河家、渡邊家に渡ります。 1889年(明治22年)、尾張徳川家の手に戻り、その邸宅となったが、1931年(昭和6年)、尾張徳川家第19代当主徳川義親により名古屋市に寄贈され、名古屋市は公園として整備し市民の利用に供しました。
昭和20年(1945年)名古屋大空襲に被災して園内の大部分が破壊された。 その後普通の市民公園に整備され市民に利用されてきたが、2005年(平成16年)にまた池泉回遊式の日本庭園として造営され今日に至っている。
園内には大曾根の滝、龍門の瀧、龍仙湖などの見どころがあり、また大都市の真ん中とは思われないような大きな木の茂る林と谷川があって、ゆっくり散策すると日ごろの雑事を忘れて楽しめるところです。
龍門の滝は寛文9年(1669年)二代藩主光友の頃に造営が始まった尾張家江戸下屋敷(戸山屋敷)にあったそうです。戸山屋敷は現在の東京都新宿区の戸山町辺りで、今では面影を残す場所も数少なくなりましたが、平成10年(1998年)に早稲田大学の敷地内で江戸時代の大規模な石組みが見つかりました。
早稲田大学と新宿区教育委員会による発掘調査の結果、戸山屋敷にあった龍門の瀧の遺構であることが確認されました。 発掘された石材は、伊豆石と呼ばれる安山岩で、総数約360個、総重量約250tに上り、江戸城築城の余り石と推定されています。徳川園では、早稲田大学から譲り受けたこれらの石材を滝の布落ちや護岸、河床、飛石などに用いるとともに、水量を急激に増す仕掛けを取り入れて、戸山屋敷の龍門の瀧を蘇らせました。
徳川園パンフレット 画像、説明文などをクリックすると拡大表示されます |
地図の中のB・Dなどのポイントをクリックするとそのポイントの説明が表示されます また画像・説明文をクリックしても拡大表示されます |
園内の谷川と橋 |
谷沿いの道 |
道脇の大きな木 |
龍仙湖 |
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大曽根の滝 シャッター速度1/400秒 |
同左 シャッター速度1秒 |
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大曽根の滝 上部 |
龍門の滝 |
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