アメリカでもかなり有力な美術館のひとつであるデトロイト美術館の所蔵する優品がくると聞いて豊田市美術館に行った。
展覧会会場の中にデトロイト美術館はアメリカの6大美術館のひとつであるとあったが、この展覧会でそう云うのであればアメリカで6番目の美術館かなと思い、本当は何番目だろうかと思って調べて見た。
でもよく分からない、わかったのはアメリカには本格的な美術館大変多いということで、大きな都市・州にはそれぞれ美術館があるようであり、また分野を限ってそれぞれの分野ではアメリカ”1”という美術館もいくつもあります。
一昨年アメリカに行った時、メトロポリタン美術館(MET)、ボストン美術館(mfa)、ワシントンナショナルギャラリー(NGA)を見ましたがその時ニューヨークのマンハッタンでホイットニー美術館とグッケンハイム美術館が見られず残念に思いました。
でもその時にはホイットニー美術館とグッケンハイム美術館が有名なので見たいと思っただけでどんな美術館かは調べても見ませんでした。
こんど調べてそれぞれに特徴のある美術館でMETとかmfaとかNGAの様な総合的な巨大美術館ではないことを初めて知りました。
デトロイト美術館はどちらかと言うとMET、mfa、NGAの様な美術館のようです。
どの美術館でも同じだと思いますが、デトロイト美術館も何人もの優れた館長、スタッフ、支援者たちによっていろいろの国、分野、時代など幅広い作品を収集することが出来たようです。
下のパンフレットの表紙にあるゴッホの”自画像”と、パンフレット内側のページにあるマティスの”窓”を1922年にデトロイト美術館が購入しましたが、これがアメリカの公共美術館がこの両画家の絵を入手した最初でした。
二人について、特にマティスについてはまだ評価が定まっていないころで市民から反対もあったようです。
これらが購入されたのはデトロイト美術館の若い職員クライド・バロウの熱意によるものであり、先見の明があったとも云えるでしょう。
バロウはこのほか、同時代のアメリカ美術の収集を進めました。
これまで2回豊田市美術館に来ていますが、今まではこの美術館は現代美術の展示が多いとに思っていました。
私は現代美術はどうも何を主張しようとしているのかよく分らず、見た後心にモヤモヤしたものが残るのであまり好きではありません。
しかし今回の展示はすべてヨーロッパの印象派、ポスト印象派、20世紀のドイツ絵画、20世紀のフランス絵画で、絵の変遷もよく分かり楽しく観賞できました。<
今回デトロイト美術館から来ていた作品は殆どすべて誰でも知っている有名画家のものばかりで、それぞれに充分見ごたえがあり、時間をかけて何べんも見直しました。
豊田美術館は開館20周年ということで企画されたと思いますが、立派な記念展覧会でした。
デトロイト美術館(Detroit Institute of Arts,通称DIA) |
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二つ折りのパンフレットでこれが表、右が裏 下が開いた内側 |
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上の絵および説明文をクリックすると拡大表示されます |