4月は、昔住んだ奈良にある大和文華館と薬師寺に行った。 大和文華館には奈良に住んでいた20〜40年前何度か訪れたことがあり、落ち着いたいい美術館だと思っていました。 今回は中国美術が専門の三重大学教授の藤田伸也先生に同行いただいて、解説を聞きながらの鑑賞だったのでまた一味違った見方が出来ました。 藤田先生は三重大学の前には大和文華館で10数年学芸員をされておられたそうで、最適の方の同行でした。 藤田先生については、三重大学大学院人文社会科学研究科の地域情報誌トリオ6号(2005年発行)に詳しく出ています。 三重大学の公式ホームページで見ることが出来ます。 http://www.human.mie-u.ac.jp/chiiki/trio/2005/trio6.pdf 大和文華館は昭和21年5月に、当時の近鉄社長の種田虎雄氏を代表発起人として発足しました。 種田氏は著名な美術史家・美術評論家で、松方コレクション(国立西洋美術館の常設コレクションの前身)の形成に大きく貢献した矢代幸雄氏を初代館長に委嘱しました。 矢代幸雄氏は当初十数年間、鋭意日本、東洋の美術品の蒐集に努めました。その結果、後に国宝4件、重要文化財31件が指定される重要なコレクションができました。昭和35年10月、近畿日本鉄道株式会社の創立50周年記念事業の一つとして当時の社長佐伯勇氏の尽力によって、奈良市学園南の蛙股池の畔の丘陵地に美術館が建てられ、開館しました。 以来、東洋の古代美術の粋を集めた美術館として、展覧会を中心に幅広い活動を展開し今日に至っています。 今回は特に有名な松浦屏風が展示されるということで訪問しましたが、行きのバスの中で藤田先生はこの松浦屏風について、装飾品としてその派手な色使いなどの面白さはあるが絵としては下手な絵であると話しておられ、またこの絵が描かれた時期についても、国宝指定の頃には桃山時代だと考えられていたが、その後の研究で江戸時代との説が有力となっているとのことでした。 でも美術館は以前と同じように静かで落ち着いたたたずまいで、ゆったりと鑑賞できました。 |
パンフレット 表 画像部分と収蔵品についての文章はクリックすると拡大表示されます |
パンフレット 裏 画像部分はクリックすると拡大表示されます |
婦女遊楽図屏風(松浦屏風) 左隻 国宝 左、中、右の各部分をクリックすると2曲ずつ拡大表示されます |
婦女遊楽図屏風(松浦屏風) 右隻 国宝 左、中、右の各部分をクリックすると2曲ずつ拡大表示されます |