横山美術館  他の美術館一覧
                              所在地 〒461-0004 名古屋市東区葵1-1-21
                                                           TEL 052-931-0006
                                                            訪問日 2018年5月17日、6月14日


今年は焼き物関係の美術館を訪問しようと思ってネットで東海3県の焼き物に関する美術館などを調べたとき、横山美術館という聞いたことのない美術館の名前が出てきて、この美術館はどんなところだろうかと調べたのが今回の訪問のきっかけです。
調べてみると明治大正期の陶磁器については、以前名古屋ボストン美術館でオールドノリタケのデザイン画帳を見て、すごい物が当時できていたのだなとと大変驚きましたが、ノリタケ以外で名古屋近辺でこのように素晴らしい焼きものが作られていたことは全く知りませんでした。
オールドノリタケについては、極めて精巧なその製作用、販売用デザイン画帳とともに名古屋ボストン美術館で展示されたことがありますし、箱根にもオールノリタケを展示する美術館があり、名古屋のノリタケの施設『ノリタケの森』でも見ることができます。
でも、ここ横浜美術館が一番量も多いように思いますし館内もよく整備されています。
オールドノリタケについては次の通販店舗のサイトを見るとその素晴らしさがよくわかると思います。

当時輸出用として作られたのですから芸術品というう考えは製作者にも販売者にもなかったと思いますが、いま見ると充分優れた芸術品だと思います。

私は仲間10人ほどと一緒に訪問しましたが、平日の午前中でしたので入館者も少なく素晴らしい作品をゆっくり、じっくり鑑賞し、楽しい時間を過ごすことができました。

なお、横山美術館の理事長は、中古車情報誌『グー』で知られる株式会社プロトコーポレーションの代表取締役会長・横山博一氏です。
横山氏は昔の日本に素晴らしい製陶技術があったことを知って感銘を受け、現代の日本人にも知ってほしいという想いで20年にわたって約3000点の輸出用陶磁器の里帰り品を中心に収集して来られたそうです。
そして2017年10月、会社の創業40周年を記念して横山美術館を開館するに至ったとのことです。
現在展示されている数は600点余りですが入れ替えながら展示されてゆくと思います。
いずれにしろ一見の価値はあると思います。

先日の訪問で写真撮影は自由と聞いていたのに、時間不足で企画展などはほとんど撮れず一部の製作技法の製品も写真がないので再度訪問し撮影してきました。



正面

開館にあたって
理事長挨拶

5階建です

エレベーターのフロア表示

受付
ミュージアムショップなどはない


美術館開館前に作成配布された開館予告のパンフレットです
上4枚は各項目をクリックすると説明文が拡大表示されます。
下4枚も各画像をクリックするとそれぞれの画像と説明文が拡大表示されます




美術館の総合案内パンフレット表紙

美術館の総合案内パンフレット2ページ目

美術館の総合案内パンフレット3ページ目

美術館の総合案内パンフレット4ページ目

美術館の総合案内パンフレット中開き1

美術館の総合案内パンフレット中開き2

美術館の総合案内パンフレット中開き3

美術館の総合案内パンフレット中開き4



輸出された陶磁器の各産地の特色
各項目をクリックするとその部分が拡大表示されます。




2階展示室

2階展示室

2階展示室



高浮彫鷲襲群猿大壺
張田緑山
明治前期

ジュール金盛薔薇図花瓶
オールドノリタケ
明治24~44年頃

高浮彫龍大花瓶
原娪山
明治前期~中期

盛上網文葡萄図花瓶
錦光山宗兵衛(七代)
明治後期

左の作品の部分

左の作品の説明文

高浮彫亀翡翠河骨花瓶
宮川香山
明治前期

左の作品の部分

左の作品の説明文

能見宿禰力士像
石黒香々
明治前期~中期

上絵金彩透彫窓絵人物図(一対)
盈進社
明治9~18年

弁財天像
宮川香山
明治後期から大正

釉下彩菊図花瓶
富永源六(初代)
明治時代後期~大正時代

百子童図宝塔形香炉
宮川香山
明治時代後期~大正時代

金彩薔薇図花瓶
島村
明治中期~後期
『島村製』上絵銘

盛上花鳥図花瓶
田代商店
明治時代後期~大正時代
『田代造』上絵銘

隅田焼の説明文
 
高浮彫花鳥花瓶(一対)
宮川香山
明治時代後期
『眞葛 香山造』 瓢箪形刻銘

釉下彩花図ランプ台
西浦焼
明治時代後期

仁清意能舞置物
宮川香山
明治時代後期~大正時代
『眞葛』空豆形刻銘

染付上絵蓮図大花瓶(一対)
香蘭社
明治時代前期~中期
『蘭マーク』『深川製』上絵銘

各種高浮彫

最下段左から右へ釉下彩花鳥図花瓶
上絵花鳥図花瓶、ひとつおいて
鮫肌花鳥図花瓶、
その他はすべて石目焼(花瓶、壺など)

1階展示室

  高浮彫龍大花瓶  
原娪山
明治初から中期
 高浮彫樹上鷹大花瓶
石黒香々

明治初から中期





オールドノリタケについて

オールドノリタケは各種の複雑な工程を持つ技法を次々と開発して、豪華で煌びやかな陶磁器を欧米に送り出し好評を博しました。
今回の展示会にもその行程の一部の解説がありました。
以前、別の場所でのオールドノリタケの展示会で、それらの製品とともに製造用、販売用に使われたデザイン画帳なるものを見ましたが、色、金銀彩はもちろん、表面の凹凸まで実物瓜二つにできており驚嘆したことがります。
ラスター彩の作品も沢山ありましたが帰ってから写真を見ると一点も撮ってありませんでした。
上記のにラスター彩の作品がいくつか載っています、また
この中には各種技法についてもかなり詳しく書いてあります。。




ジュール金盛植物図大花瓶
(側面)

ジュール金盛植物図大花瓶
(正面)

ジュールとはJewelryの
ことのようです

3階展示室

盛上燕図花瓶

ホワイトウッドランド花瓶
明治44年~大正10年頃

ノリタケでこんなものも
作っていたんですね

白盛花図花瓶
明治44年~大正10年頃

タピストリー花瓶、葉巻入れなど
素焼き前の柔らかい素地の表面に
布地を押し当てて布目をつけて
焼成し、その後色をつける技法を
タピストリーと呼ぶそうです

左最下段はゲームセットと言われる
狩猟用のテーブルウェア

金盛パンチボールセット

子供のままごと用セット
 





企画展
カップ&ソーサー展パンフレット表


企画展
カップ&ソーサー展パンフレット裏
説明文のみ拡大表示されます

下の冒頭6枚の写真は上記パンフレットに記載の展示品画像ですが、元画像なので拡大してもはるかに美しく見ることができます。
色々のメーカー、製作者の作品が展示されていますが、やはりオールドノリタケが一番多く、半分以上はオールドノリタケです。


銀彩幾何学柄デミタスセット
オールドノリタケ

ダイヤモンドパターン・デミタスセット
オールドノリタケ

アザレア図スナックセット及びティーセット
オールドノリタケ

金彩幾何学柄デミタスセット
オールドノリタケ

金盛帆船図チョコレートセット
オールドノリタケ

金エッチングティーセット
オールドノリタケ

ケーキセット各種
オールドノリタケ

瑠璃地金盛草花図
ティーセット
松風亭 
瑠璃地金盛龍図
デミタスセット 

金盛花図チョコレートセット
オールドノリタケ

盛上植物図チョコレートセット
オールドノリタケ

4階企画展展示室


展示品リスト

1回から4階までフロア別に表示してあります。
各シートをクリックするとそれぞれ拡大表示され内容が読めます。



     

明治以降の輸出陶磁器を中心に展示 万国博覧会参加の成功 内国勧業博覧会 輸出陶磁器の衰退 新しい流れ-芸術家としての陶芸家誕生- 再評価される輸出陶磁器 日本陶磁を海外へ 窯業地の発展 上絵付業の確立 万国博覧会参加の成功 有田焼 石目焼 粟田口焼 万古焼 名古屋焼 西浦焼 九谷焼 花鳥図花瓶 上絵金銀彩花鳥図大花瓶 金盛ジュール植物図大花瓶 ポートレート婦人図飾壺 能見宿禰力士像 上絵金彩武者図花瓶 上絵草花文双耳花瓶 盛上網文葡萄図花瓶 陶磁器類聚花瓶 高浮彫鯛蟹蛯貝花瓶 上絵金彩陰刻風神図花瓶 仁清意能舞置物 高浮彫鷲襲群猿大壺 釉彩鷺竹花瓶(一対) 高浮彫鳩桜花瓶