松坂屋美術館   その他の美術館一覧
                                         所在地 〒460-8430  名古屋市中区栄三丁目十六番一号
                                                             松坂屋名古屋店 南館七階
                                                                 TEL 052-264-3611
                   訪問日 2020年10月3日

ここしばらくコロナのため出歩きませんでしたが、近くの松坂屋美術館でこの展覧会が開催されると聞き行ってきました。
古代の美術品の復元品、複製品などはかなり見る機会が多く、 法隆寺にある玉虫厨子は何台か作成され、その評価も高いようです。
正倉院の御物の復元品も何度か見たことがあるように思います。
宇治の平等院の飛天などの荘厳品の復元品も見た記憶があります。
なお、美術品とは言えませんが、復元再建された奈良の平城宮の第二次大極殿・朱雀門の本体とと内部などは色々な面で調査の上、建設・製作されたものと思います。
勿論、現物が存在しませんので復元でもなく、複製でもありませんが見てその精巧さに感嘆しました。
古代ではありませんが、復元された名古屋城の本丸御殿も素晴らしいものでした。
このように多くある復元品・複製品の中でも、やはり正倉院宝物は世界的な名品ばかりですし、国の威信をかけて調査し、選りすぐりの名工によって製作された模造品ですからその出来栄えぼ比類がありません。
いつものように写真は撮れませんでしたので、絵葉書とパンフレットの画像だけですがその素晴らしさはよくわかると思います。
御物の模造品は明治の初めころから製作され始めたようですが、初めは見た目・外観をその御物が製作された時と同じに製作するというコンセプトで始まったようです。
しかし、昭和47年、宮内庁正倉院事務所により、宝物の万一の場合に備えての危機管理や技術継承などを目的として外見を似せるだけでなく、同じ構造・材料・技法により、限りなくオリジナルに近い「再現模造」を製作することにしたそうです。
ただ、昭和47年以前でも製作者によっては見えない部分も含めてすべて御物の製作当時を再現するという考えで製作され物もあったようです。
いずれにしろ、治承4年(1180年)平家の南都焼討で東大寺の主な堂宇が焼失した中、奇跡的に正倉院が焼け残り、その後も永禄10年(1567年)の戦火でも再建された大仏殿が焼失してしまっています。
またいつ頃のことか分かりませんが昔、奈良の治安が良くなかったころ正倉院の床下で盗賊か浮浪者が焚火をした跡が床板に残っているそうです。
1300年もの永い間木造の建物の中の宝物が無事であったことは本当に天祐と言えると思います。
今後も大切に守ってゆきたいものです。

奈良時代には現在のように高度な加工を施した品物が少なかったでしょうから、当時の人々にとってはすべて目を見張るようなものばかりだったと思います。



展示室内にあった主催者の挨拶文
主催:宮内庁正倉院事務所、松坂屋美術館、朝日新聞社、NHK名古屋放送局

パンフレット表
いくつかの画像はクリックすると拡大表示されます。

パンフレット裏
いくつかの画像はクリックすると拡大表示されます。

松坂屋美術館

初期の模造製作の状況

比較的最近の
模造製作の状況

今回展示された
正倉院宝物模造作品

今回展示された
正倉院宝物模造作品

今回展示された
正倉院宝物模造作品

今回展示された
正倉院宝物模造作品
以下絵葉書の画像です

伎楽面
酔胡王と呼ばれる役柄の面
桐材 白下地彩色

黄金瑠璃鈿背十二稜鏡
銀鍛造 金版 金線 七宝釉板
(緑 濃緑 黄)

漆彩絵花型皿
鑑真が唐から招来した殆ど全く
同型の銀製皿(唐招提寺に現存)を
模して日本で入手しやすい木製で
作られたと思われる

金銀鈿荘唐太刀
把は鮫革巻 白皮懸 
鞘は木製皮貼黒漆塗 末金鏤
透し金具は銀台鍍金 荘玉は
色ガラスと水晶 帯執は紫皮

紫檀螺鈿五絃琵琶
槽から海老尾・転手は紫檀
腹板はヤチダモまたはシオジ
捍撥は玳瑁地に螺鈿で文様
槽には螺鈿・玳瑁(伏彩色)で
宝相崋文

紫檀木画双六盤
象牙、緑染の鹿角、黄楊木、黒檀
紫檀モウソウチクかマダケ


紅牙撥鏤撥
象牙 紅染 撥鏤 緑青・黄の点彩

螺鈿箱
檜様針葉樹布着黒漆塗 螺鈿
金平脱 水晶(伏彩色)
内張りは表繧繝錦裏浅緑地纐纈絁
紙芯 縁芯は竹

甘竹簫(かんちくのしょう)
竹管を並列に並べた楽器
明治時代に12管の甘竹律として
復元修理されたがその後の調査で
18管と分かり本模造が製作された

磁鼓
陶製の鼓で、緑、黄、白の釉薬を
施す。 胴に大きなくびれを付けた
砂時計型の鼓は、唐楽に用いられた
細腰鼓〈さいようこ〉の一種で、
インドを発祥の地とする。

銀製球形香炉 
鍛造 中程で蓋・身に分離 
身内面に鉄炉を三重環で取付
香炉面が常に水平なるよう
細工されている

琵琶袋
四弦の琵琶を収める錦の袋
表の縹地錦は緯錦で、9色の色糸を
用いて大唐花文が織り出されている。
現宝物は正倉院に残る他の錦裂に
比べて広幅で、精緻な作りである
ことから、中国製とされている。

赤地唐花文錦
寺院内部の荘厳に使用した錦
奈良時代以降に見られる緯錦(ぬきにしき)
とよばれる織り技法で作られていました

天平宝物筆
大仏開眼の儀式に使用されたもの」